免疫 (immune system)

コロナワクチン接種による副反応をなるべく抑えるためにできる5つのこと

日本ではようやく下火になってきたコロナウイルス。残念ながら、お亡くなりになられた方も世界中で大勢いますし、近しい方を亡くされた方も多いでしょう。心からお悔やみ申し上げます。

世界中で新規感染者数もだいぶ落ち着いてきて、これからは、withコロナの時代をどう生きていくかが課題になってきます。

これからどんどん本格化していくコロナワクチンの接種に不安を覚えている方も多いと思います。私もそのうちの一人でした。ナチュロパスの根底にある考え方として、「自然治癒力を高めて健康に導く」というのが原則のひとつとしてあるため、接種を受けるまでにだいぶ悩みました。

ただ、実際の数値を見ていくと、重症化を防いでいるのは一目瞭然。

他にも探せば山ほど出てきますが、接種を決めるきっかけになったのは、ワクチン接種後の重症化率の低さと、「例えば無症状でウイルスを持っていたとして、誰かにそのウイルスをうつしてしまい、その方が例えば免疫不全や著しく免疫力が低い人だった場合、重症化、もしくは最悪の場合死亡するかもしれない。その時に私はどう思うか」ということでした。

例えコロナワクチンを接種していたとしても、コロナウイルスに感染する可能性はゼロではないし、自分だって重症化するかもしれない。後遺症が残るかもしれない。誰かに感染させてしまうこともあり得る。ただ、ワクチンを接種して味わう後悔と、未接種で味わう後悔と比べた時に、接種して味わう後悔の方がよっぽどいいと思いました。それでもし自分が副反応で死ぬことになっても、それはそれで受け入れよう、という気持ちでした。大げさですが、それぐらいの覚悟でした。ただ、免疫機能を上げておくために最大限できる限りのことはしました。おかげさまで、特に副反応も出ることなく、二回目の接種も無事終えました。

今回は、一回目の接種二か月前から始めたナチュロパス的コロナワクチン接種に対する抵抗力をあげる、もしくは副反応をなるべく抑えるためにできること5つをご紹介します!

オーストラリアとニュージーランドの大学で自然療法・薬草学を学び学士号(Bachelor Degree in Naturopathic and Herbal Medicine)を取得。現在はオークランドにあるナチュロパスクリニックで運営・管理に携わるとともに、クリニックに在籍しているナチュロパス達の疑問に答え日々研究文献・サプリメント等のリサーチをしています。2021年時点でナチュロパス歴5年。

ビタミンC、ビタミンⅮ、亜鉛をサプリで補給

Photo by Diana Polekhina on Unsplash

免疫機能を高めるのに重要な三大栄養素、ビタミンC、Ⅾ、そして亜鉛。これらをひと月ほど前から通常より多めに摂り始めました。

ビタミンCの数値が低い人は、ウイルスに感染しやすく、感染後もそのウイルスと戦うためにさらに多くのビタミンCが必要となります。NZのオタゴ大学がまとめた情報によると、6件の観察研究から、中等から重症のコロナウイルス陽性患者のほぼすべてが、コントロールに比べてビタミンCの数値が著しく低かったことがわかりました。そして、2件の介入研究では、ビタミンCの投与が死亡率、重症化率、重症である期間、CRPの数値も減少、とポジティブな結果が見られました。もう1件の介入研究では特に目立った結果が見られなかったようですが、3件すべてでビタミンC投与による副作用は見られませんでした。

2021年10月に発表されたシステマティックレビューでは、ビタミンⅮ不足とコロナウイルスの感染率・死亡率の関連があることがわかりました。ビタミンⅮの血中濃度をあげることでインフルエンザ・コロナウイルスへの感染リスクを下げるとして、125nmol/L以上を推奨しています。

ビタミンⅮと免疫機能についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

https://sageremedy.net/2021/10/16/3tips-to-increase-immunity-with-vitamin-d/

亜鉛は神経、免疫、生殖、皮膚など様々な場面で必要なミネラルのひとつです。2021年9月に発表された論文によると、亜鉛がコロナワクチンによる副反応を抑える効果があることがわかりました。亜鉛がコロナワクチンの効果を上げることは可能性として低いですが、60歳以上の方々については特に、亜鉛不足をワクチン接種の前後で解消しておくことは効果的だそうです。

睡眠をしっかりとる

睡眠不足は、単純に、免疫力を下げます。十分な睡眠時間は個人で違いますが、大体これぐらい寝ないと…というのが各自あると思います。私自身は8時間の睡眠が必要というのが今までの経験からわかっていたので、多少のズレはありますが、なるべく8時間睡眠を毎日確保するようにしました。

人は、寝ている間に成長ホルモンが分泌され、傷んだ細胞の修復を行っています。睡眠不足は自律神経の乱れにもつながり、免疫機能が低下してしまいます。毎日決まった時間に入眠・起床する、寝る前にヨガをするなどしてリラックスして睡眠の質を高める、食事は睡眠の3時間前、少なくとも2時間前までには終わらせて未消化のまま眠りにつかない、など、できることから始めましょう。

睡眠不足や疲れから、血管迷走神経反射が起こり、頭がふらふらしたり、吐き気・発汗などが起こったり、ひどい場合は失神したりする可能性もあります。接種前後にはしっかりとした睡眠をとることをお勧めします。

軽い運動でストレス解消

ストレスもまた、免疫力を下げます。これは、ストレスが交感神経を優位にして、自律神経のバランスを崩すため。自律神経は、リンパ球や白血球などの免疫細胞と深い関わりがあるためです。

軽い運動はストレス解消にうってつけです。近所を散歩したり、ヨガをしたり。私の家は歩いて海から20分ほどのところにあるため、仕事の後に天気のいい日や週末は、散歩がてら歩きに行きます。広い空、波の音、落ちている貝殻。他愛のない話をしながら、笑って泣いて。何か特別なことをしなくても、それだけで十分ストレス解消になりますよ。

エキナセアを摂る

エキナセアは私たちハーバリストが最もよく使う免疫系のハーブのひとつです。エキナセアは免疫力を高め、風邪やインフルエンザなどの感染症に対する効果が広く認められています。抗ウイルス作用、免疫保護作用、抗炎症作用、抗菌作用など、風邪のひき始めにはもちろん、ひいてからの症状緩和にも効果的。

エキナセアは、部位と品種の違いで多少効果が異なりますが、私の勤めるクリニックではEchinacea angustifoliaとEchinacea purpureaのルート(根)のブレンドを使うことが多いです。ティンクチャーの場合、舌がピリリとするのが特徴。このピリリとさせる成分が免疫機能に効果を発揮します。他にも、錠剤やハーブティーとしても摂取しやすいですね。私はすぐに手に入るのがティンクチャーと錠剤だったため、しばらく錠剤を、接種2週間ほど前からティンクチャーも併用して摂っていました。

プレバイオティクス・プロバイオティクスで腸内環境を整える

現代医学の父、ヒポクラテスも「すべての病気は腸から始まる」という言葉を残しているほど、腸内環境は大事です。人間の免疫機能は、その約70%が腸内に集まっています。そのため、腸内環境を整えることは個人の免疫力アップに直結します。

手軽に取れるのは、やはり食品から。日本食は発酵食品が多く、プロバイオティクスを取り入れるのは比較的簡単だと思います。納豆、味噌、ぬか漬け、甘酒などは、日本の伝統食です。ヨーグルトやサワークラウト、キムチに、最近では、コンブチャやケフィアなども、日本でも比較的手に入りやすいのではないでしょうか。

プレバイオティクスは善玉菌の栄養になるものです。食物繊維、オリゴ糖などがそれに当たります。海藻類、キノコ類、豆類、ブロッコリー、玉ねぎ、イモ類、果物類などは、善玉菌のエサとなり、菌の増殖・活性化を手助けしてくれます。

食品から摂るのが難しい場合は、サプリメントも効果的です。基本的に、プロバイオティクスは要冷蔵タイプのものが多いですが、最近では常温でも保存可能なタイプも増えてきました。信頼できる製造元のもの、どの種類の菌がどれだけ入っているか明確に記されているものなど、しっかり見極めて購入するようにしましょう。ナチュロパスは、目的によって菌の種類を変えますが、腸内環境を整える目的であれば、腸内の多様性を増やすためにも、なるべく多くの種類が入っているものや、別の種類をローテーションして摂取するのがお勧めです。

私は子供の頃からかなりひどい便秘気味で、1時間近くトイレにこもっていることもしょっちゅうでしたが、発酵食品を積極的に取り入れたり、プロバイオティクスを摂るようになってからは、毎朝快調になりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。適切なサプリメントを摂る、睡眠をしっかりとる、軽い運動をする、など、全てを一度にやろうとすると大変かもしれませんが、ひとつずつこなしていけば何とかできるものがいくつかあると思います。

今回取り上げたことは、予防接種対策だけでなく、普段からの免疫機能を高めることにもとても効果的です。ぜひ、取り入れてみてください!

Photo by Jed Villejo on Unsplash

Reference

  1. Grant, W. B., Lahore, H., McDonnell, S. L., Baggerly, C. A., French, C. B., Aliano, J. L., & Bhattoa, H. P. (2020). Evidence that Vitamin D Supplementation Could Reduce Risk of Influenza and COVID-19 Infections and Deaths. Nutrients12(4), 988. https://doi.org/10.3390/nu12040988
  2. Boretti, A., & Bannik, B. K. (2021). Zinc role in Covid-19 disease and prevention. Vacunus, https://doi.org/10.1016/j.vacun.2021.08.003

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